脱水〜すじ消し

洗い張り後の生地。水に浸かって間も無く脱水機に通し速やかに余分な水分を抜いて、短時間で乾燥させます。

すじ消し

縫い目の跡に溜まったきつい汚れのすじなどを落とす工程です。袖底や脇の縫い目の黒ずみ、ヤケが出易い箇所は、特に重点的に。13mもの長さを人の手で修正する根気の要る作業です。

湯のし

新しい生地や水洗いで縮んだ生地に蒸気を当てて、巾を整えていきます。通常の生地には機械湯のし、総絞りや年代の古いものなどは、人の手で巾を整える手湯のしを施します。繊細な絹に質感やハリを与える、重要な手順。仕立て前に必ず行う加工です。

染め替え

職人の手により、専用の刷毛で染料が入って行きます。何度か重ね塗りをするのか伺った所このやり方はたった一度きり、ということでした。今回は”引き染め”を撮影しましたが、他にも江戸小紋の染めに使われる、様々な糊とヘラを駆使する”しごき染め”、生地が染料を潜っていく”炊き染め”など、染めの方法や色柄によって手段が変わるのも特徴です。変色が全体に渡ってしまい、もうダメかも…と思うような着物も、濃い色に染め替えて、再び外へ連れ出してあげられるかもしれません。諦めてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。

新しい生地や水洗いで縮んだ生地に蒸気を当てて、巾を整えていきます。通常の生地には機械湯のし、総絞りや年代の古いものなどは、人の手で巾を整える手湯のしを施します。繊細な絹に質感やハリを与える、重要な手順。仕立て前に必ず行う加工です。

余談ですが、伸子張りは家庭での洗い張りにも使用されていました。お婆ちゃんがよく家でやってた、というお話も時折伺います。昔は季節ごとに着物を解いて手入れをしていたからこそ、長持ちしていた訳ですね。眠ったままの着物は、一度点検しましょう。

検品・出荷

検反

加工前、加工後の検品は反物の状態でも行われます。色ヤケや紋異常、生地の状態を一点ずつ人の目で点検していきます。細かい汚れ残りや、生地難が残ったまま仕立てに回ることがないよう、気を張ります。

梱包・発送

出来上がった商品は、輸送中のしわなどがつかない様細心の注意を払って梱包し、次回のご着用に適した状態となって、皆様のもとに届きます。大切なお着物を蘇らせ、喜んで頂ける様、日々努力しています。

分直し

仕立て替えまでは必要ない場合、部分的に縫い直すことにより、寸法を変える方法も。単純なほつれ直しも承ります。しかし糸が劣化してしまっている場合は、部分直しもあまり意味を成しません。使い分けましょう。

出荷前検品

加工後のお品の状態、仕立て後の寸法など内容に相違がないか、着物にダブ付きやしわが残ったまま納品されない様、最後の点検を行う場所です。検針器により針などの異物が混入している場合も、出荷前に発見されます。